さびしい国粋主義

3・11は、放射能による肉体破壊の開始を告げるゴングであったが、同時に、疑心暗鬼による、人間関係破壊の開始を告げるゴングでもあった。
日本人の多くは、圧倒的に、保守日本に、信頼感を抱いていたが、それが、あっという間に、ぐらつきだした。
政・官・財・学・マスコミ・農。
政こそ、第二保守の民主党だが、他は、日本最高位の保守ばかりだった。
財界最高位の東京電力は、想像を絶する無様な姿を曝した。
学界最高位の東大は、発言するたびに失笑を買った。
マスコミ最高位のNHKは、誰の目にも明らかな虚偽情報を流した。
官の牙城、霞ヶ関で迅速に対策に動いた省庁は皆無だった。

しかし、もっとも、衝撃的だったのは、農民の背信だろう。
まるで、宗教のように、日本の農民の善良さは、自明のことと、ずっと、喧伝されてきた。
TPP護るべしの最大の拠りどころは、日本の善良な農民を守れだった。

今、あっという間に、逆流し、日本の農民が押し売りする汚染野菜から、わが身を護るため、一刻も早くTPPを、推進せよとの声が出始めている。

3・11まで、日の丸を上げ、君が代を歌う、大きな情念の源泉であった、政・官・財・学・マスコミ・農への畏敬・信頼が、あっという間に、ぐらついてしまった。