輪廻の断絶

気がつくと、世界中で、女を愛する男たちは主役の座を退場し、戦後は終わり、
男を愛する女たちが、新たな主役になって、次の戦前が、始まっている。
選挙は、もっとも、好戦的なポーズをとる男を選ぶ、女たちの、品評会の場に、なっている。


あたりまえのように、梁山泊の男が、ごろごろしていた時代は、遠い記憶の中に去り、
自分が、女の鑑賞物ということを、片時も忘れない男のみが、
指導者として、気儘を許される時代になった。
遠い昔からの輪廻の,次の一廻りのように、
粋がった男たちは,女から選びつづけられるために、新たな戦争を、始めるだろう。


ただ、1945年いらい、実は、悠久の戦争と平和の輪廻は、断絶している。
新しい摂理は、敗者が、奴隷にさえなれず、肉塊となって、丸ごと消滅することだ。


1945年、一部が、肉塊となって、丸ごと消滅し、その崖っぷちに立った日本人は、
世界でもっともその事を理解している筈だと、
世界中の人が思い込んでいる。
日本の権力者が、時折見せる、ゾッとする卑屈さも、崖っぷちに立っている以上、
やむを得ない心理反応なのだろうと思われている。



近い将来、その日本が、デジャヴのように、誇らしく奇襲攻撃をかけるとき、
全世界は、再び、絶句し、混乱し、理性を、失ない、
禁断のボタンを押すだろう。
何度も、何度も。


日本人は、満を持して、ステージに飛びだし、全世界の大観衆に、大喝采を浴びるつもりが、
予想外の全世界の反応に、
自分が、何をしたのか、まったく、理解できないまま、
なす術もなく、ほぼ、地球上から、姿を、消すだろう。